参考にした本１

『ガンは治る　ガンは直せる』安保徹・奇ジュン成・船瀬俊介　著

まず、船瀬氏のまえがきで、がんで闘病した友人のエピソードを読み化学療法や放射線治療はやはり恐ろしものだという気持ちになる。

第一部は安保氏が書いている。安保氏によると、がんの原因は交感神経の緊張状態が続くことによる免疫低下であるという。頑張り過ぎ、冷えなどが交感神経緊張を起こす、また、一番負担がかかった場所に発がんするとのこと。

そしてメインは、がんを治す四か条である。
一、生活パターンを見直す。（がんばりすぎない）
二、がんの恐怖から逃れる。
三、つらくて消耗するような治療は受けない。（試しに受けてもよいが、免疫系に対して一番害になるほは放射線、二番目は抗がん剤）
四、交感神経緊張から副交感神経にいかにもっていくか。（→リンパ球を増やす、そのために、体を温める、繊維質の多いものを食べる）
そして、体にいいことをして免疫力を高めれば、がんが自然退縮するのだという。
ちなみに、何人の患者の内何人がこうなった等の数字は全く出てこない。

例えば「冷え」とか「がんばりすぎ」とか、心当たりはある。安保氏の説はもしかしたら正しいのかもしれない。ただ、放射線や抗がん剤のような治療を全くせずに「がんを治す四か条」の実践だけでがんを放っておく勇気はないと思った。

第二部は奇氏による東洋伝来の自然健康法についてである。
奇氏が逆境の中でどのように健康法を見出したのかや、健康法の内容（プハンというグラスの中を真空にして体に吸いつける治療と食事療法）が書いてある。
納得いかないのは、次の一節である。

「難病にかかっている人は、必ず身体の問題以上に、心に何かの欠点をもっています。とても我がままで、否定的で、自分勝手で、そういう人が自分の心を統制することができないところから、いろいろな難病にかかります。特にガンになる人などはそういう人が多いように思います。だから、そういう人の心を変えさせたいのです。心の持ち方が間違っていて、そのために病にかかっているのだから、これから人によいことをしてあげなさい。感謝の念をもって生活をし、人を赦しなさい…、と言ってあげるのです。」

人間なんて、誰でも欠点はもっている。欠点はあっても病にかかる人とそうでない人がいる。善人は病にかからないのか。生まれたばかりの赤ちゃんはどうか。犯罪者はどうか。この一節以外も、どうも精神論ばかりで、私には拒否感しか残らなかった。

第三部は、三氏による対談である。

第四部は、船瀬氏によるがんの常識が間違っているとする告発である。
船瀬氏によると、かつて岡山大学医学部で、「ガン患者の八割が、抗ガン剤、放射線、手術で“殺されている”」という調査があったが、それは闇に葬られたらしい。それが事実であると「知っている」なら、なぜ「ある若い医師」と匿名にするのか。
他に、アメリカでは、スウェーデンではと例を挙げて日本人には知らされていない実態を書いているが…出典は明示なし。海外のガン治療は「まったく治療しない」が基本なのだとか。
アメリカ政府は１９９０年に「“ガンの三大療法”が無効であった」と断定する衝撃リポートを発表、したそうです。そうだとしたら、米国国立がん研究所（ＮＣＩ）のホームページ上で、各がんの治療法として未だに手術、放射線、化学療法が筆頭に挙げられているのはなぜなのでしょう。（それに近いリポートはあったのかもしれませんが、一部をねじまげて取り上げていません？それらしいレポートを発見しましたが、全部訳して読むのは大変なので、今はパス…。http://www.quackwatch.com/01QuackeryRelatedTopics/OTA/ota00.html

ＮＣＩのサイト： http://www.cancer.gov/

抗がん剤、製薬会社、国、医師（現在の日本の病院では、医師たちは、おどろくようなウソを平気でいうらしい）への批判を繰り広げた挙句、最後は早期発見はしてはいけない、治療は必要ないとして、安保氏の提唱を支持する記述で終わっています。
船瀬氏というのは、あの「買ってはいけない」の著者の一人です。この本を買うときはよく確かめず、読み始めてから「この名前知っている」と思い出しました。あの本と一緒で、出典があいまいな根拠を元にした批判ばかりで、船瀬氏の文を読んでも、私にとっては何の役にも立たないと思いました。

安保氏の説については気になる部分がありますが、他の二人についてはむしろ腹が立つばかりで、むしろ私の健康にとっては悪いのではないかと思うくらいでした。この本、アマゾンのカスタマーレビューでは評価が高いのです。でも、実際に自分で読んでみないとわからないものです。