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新事実(ある意味本当の告知) [がんの発見から手術前まで]

5月。
円錐切除術の手術前日に、担当医から手術の説明を受けたときのことです。
担当医は、始めに診断した男性医師とは違う、女性医師でした。
その説明の中で思いかけず、新たな情報を知らされることになりました。

説明の要旨は次の5点でした。

・子宮頸がんの90%(※)は扁平上皮がん。
・組織診で腺がんが見つかり、小細胞がんの疑いがある。(?!)
・扁平上皮がん、腺がん、腺扁平上皮がん、小細胞がんの順に悪性度が強くなる。
・今回の円錐切除術は組織の型と進行の程度を調べる手術。
・手術の方法について(レーザーに似ているが、ハーモニックという細かい振動を使って切る器具を使う。切断面を焼灼して出血を止める。1週間後に出血が増える。)

ん?!小細胞がん?! 前回受けた診断は「腺がんの疑い」だったぞ!
思わず、「それは初耳です」と言ってしまいました。
医師は、一瞬動揺したようでしたが、その後も説明を続けました。
私も、「はい」「わかりました」などと言いながら静かに聞き、淡々と説明は終わりました。


患者のショックを和らげるため、過酷な事実は小出しにするという伝える方法があるとも聞くので、「小細胞がん」の疑いがあることを、このときに伝えることが予定されていた可能性もあります。
前回の診断後にわかったということもあるかもしれません。でもそうは言われませんでした。
おそらくフライング(医師同士の連携ミス?)だったのだろうと思っています。
今となってはどちらでも構いません。
ただ、もっと早く知っておけば、私ももっと急いで治療に専念したかなというのはあります。

医師が説明しながら書いてくれる書類の上に、縦に並んだ
 扁平上皮癌
○腺癌、
 腺扁平上皮癌
○小細胞癌
を見たときに、これはかなり大変なことになったらしいと思いました。

脳って面白いもので、こんなときに昔見たテレビドラマの一場面が一瞬脳裏に浮かんだりします。
医師が「悪性のがんです」などと告知して、家族が泣き崩れて、昔だから患者本人には伝えず家族が支えてたりなんかして。そういうドラマ、よくありましたよね。あぁいうときの「悪性」ということなんだろうと思いました。


その日の夜、携帯で「小細胞がん」を検索しました。
子宮頸がんについて書いてあるサイトで、扁平上皮がんと腺がんのことは書いてあっても、小細胞がんのことについては言及がないものが多く、ヒットするのは肺がんの小細胞がんばかりでした。子宮頸がんの小細胞がんは症例自体が少なく、治療法が確立していないようです。
検索していると、
・転移が早い。
・予後が悪い。
・5年生存率が出せない。
・肺や脳に転移することが多い。
などと書かれています。
また、「癌掲示版」なるサイトを見ると、治療をした後数年後に転移をした、やれガンマナイフだ、全脳照射だのとl恐ろしげな言葉が並んでいます。
http://www.gankeijiban.com/bbs/read/040fujin/1198328166/l50

 

これは大変なことになったと。


ただ、このときにやっと、本当の意味で治療と向き合う覚悟ができたと思います。
それまでは、「がん」「全摘」といっても、早期発見できたのだからと思い、「死」はまだ遥か遠いところにいました。
この時点でも、仕事を休むことを自分自身負担に感じたり、罪悪感を感じたり。
円錐切除だけで済めばいいのにという希望的観測さえ捨て切れてなかったのですから。

でも、本気でかからないと命にかかわるとはっきりと自覚できたのです。
自分の状況を知るということは本当に重要なことです。

そして、転院についても遅まきながら本気で考え始めました。
4月に全摘の話が出た時点で、後遺症の可能性があることを考えると、腕のいい外科医に手術してもらってできるだけ後遺症を少なくしたいという気持ちはもっていました。
それなのに、セカンドオピニオンを取りに行ったりすることもありませんでした。
この時点でかかっていた病院は、その県内では規模が大きい方の総合病院ではありました。
でも、子宮頸がんの小細胞がん症例の少なさを考えると、県レベルでもきっと足りない。
少ない中でもできるだけ経験のありそうな、できるだけレベルの高いがんの専門病院にかからなければ!


決意と覚悟、そして治療に向けた新たな段階の始まりでした。

※日本婦人腫瘍学会編/医療ガイドラインでは、「最近の統計では子宮頸癌全体の約20%を非扁平上皮系の癌が占めており,その約90%が腺癌または腺扁平上皮癌である。」との記載あり。
医療情報サービス Minds(マインズ)子宮頸癌 日本婦人腫瘍学会編/医療・GL(07年)/ガイドライン
http://minds.jcqhc.or.jp/stc/0066/1/0066_G0000176_0042.html


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コメント 4

cobachi

どこで治療を受けるか、ということは本当に大事なことですよね。
どこででも同じレベルで治療を受けられることが理想ですが。。。

一人で告知を受けられた強さ、すごいと思います。
がんばられましたね。
by cobachi (2010-12-04 20:12) 

ひすい

cobachiさん

むしろお医者さんは、あらあなたまた一人で来たの?って感じで少し困っていました(笑)

家族の支えがない可哀そうな患者に思われてたかもしれません?!

でも、こうやってなんでも一人で抱え込もうとするところが、私の弱さでもあるのです。

最近、それがやっとわかるようになりました。
by ひすい (2010-12-05 17:52) 

あっこ

一昨日、小細胞がんの告知を受けました。
本当に情報が少なくてどうしていいか、パニックです。
今週、がんセンターに行ってきます。
頑張りたいと思います。
by あっこ (2014-05-11 13:12) 

ひすい

あっこさん

お返事が遅くなって申し訳ありません

その後いかがですか?
早期であるとよいのですが!!

よい担当医を見付けられるとよいですね

何かお答えできることがあれば、コメントください

気持ちをしっかりもって、落ち着いて情報をあつめてくださいね

お大事に!!!

by ひすい (2014-05-23 00:54) 

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