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LVA② ~リンパ管静脈吻合術~ [リンパ浮腫]

今回は、わたしが受けた手術の内容を、書ける範囲でできるだけ詳しく書いてみようと思います。

これからLVAを受ける方が、術中にどのようなことが行われるのかイメージを持てれば、少しは安心して受けられるのではないかと思うからです。

ただ、病院や医師によって、やり方は少しずつ違うと思います。それは、その病院や医師がそうするには理由があると思いますし、必ずしもどちらがいいとは言えないことがあるんだろうと思います。(細かいことで言うと、抜糸が必要な糸を使うのか、溶ける糸を使うのかとか。同じ病院でも医師によって違うのですもの。)

そして、医療は年々進歩していますから、数年後には同じ病院、同じ医師でも、やり方が違っているかもしれません。

あくまでも「わたしの場合」として、参考にしていただければと思います。

リアルな表現もありますので、傷や血を見るのが苦手な方は、読まない方がいいかも…^^;

 

 

わたしが受けた手術は、皮膚のすぐ下にある浅層リンパ管と静脈をつなぐことによって、うっ帯しがちなリンパ液を静脈に流れるようにするものです。

扱うリンパ管は0.5mmと髪の毛よりも細いのです。そのため、スーパーマイクロサージャリーと呼ばれる顕微鏡下での手術になります。

 

①ICG検査をして足に印をつける LVA①

モニターでわたしも一緒に画像を見させていただきました。担当する医師は4人、そこに看護師さんが2人くらいでしょうか。そして、他県から見学に来た医師がいました。

 

②足の表面全体を(表も裏も!)消毒

 

③切開する箇所に注射器で局所麻酔を施す

これが一番痛かったです。でもシンチよりはまし(笑)

 

④メスで2センチほど切る

切ったところを釣り針のようなもので引っ張って、切開したところがひし形もしくは正方形になるように開きます。見た目はすご~く痛そうなのですが、さすが麻酔をしてあるので大丈夫です。

ただ、この後リンパ管を探す段階で、いたたたた!となった瞬間がありました。その際は麻酔を足してくださいました。

 

⑤脂肪をかき分けて、リンパ管と静脈を探す

鶏肉の白い皮と身の間に、黄色い脂肪がついていることがありますね。大きいアームについた顕微鏡を覗きながら、ああいう弾力のあるぷりぷりした黄色い脂肪をピンセット等で文字通りかき分けるようにして探すのです。1人の一番ベテランの先生の顕微鏡の画像をモニターにつないで、わたしが見られる場所に置いてくださいました。

鶏肉に薄い膜が張っていますね。ああいう繊維状の膜が脂肪の周りにはついているので、ときどきそれを電気メス(?)で切りながら、奥に分け入っていきます。といっても深さは5mmから1cmなのだそうです。リンパ管や静脈は脂肪と脂肪の間にあるとのことでした。

 

⑥リンパ管と静脈を吻合する

リンパ管と静脈を切り、つけまつ毛の1本分くらいの大きさ&太さの針で吻合します。形成外科の医師って、頭がいい上に特別器用でないと務まらないですね!

事前にLVAについて書かれた本(※)を読んで、吻合の仕方にもいろいろあると知っていたので、どんなつなぎ方をするのか興味深く見ていました。モニターで見られない3人の先生の手元は見られなかったのですが、手術の後に知ることができました。なんと、縫合した後に、そのそばの皮膚に油性のマジックで(!)どのようなつなぎ方をしたのか図や記号、数字を書かれるのです。手術した後の足は、耳なし芳一か、ボディペインティングアートか、といった具合でした^^ゞ

※「よくわかるリンパ浮腫のすべて―解剖、生理から保存的治療、外科的治療まで」 東京大学形成外科教授 光嶋勲編著

 (あともう一冊が、しまいこんでタイトルがわからない・・・)

・リンパ管と静脈を切り、心臓側の静脈につま先側のリンパ管を吻合。残ったリンパ管と静脈の端は焼いて閉じる。

・静脈の二股になったところに、リンパ管2本を吻合。

・1本の静脈にリンパ管の側端2本を吻合。

防水テープに隠れて見えない図もあったので、わたしに判別できたのはこの3パターン。

見つかった静脈とリンパ管の形状や位置関係によって、もっともよいと思われるつなぎ方をしているように見えました。

リンパ浮腫が進行すると、リンパ管がぼろぼろになっていくため、LVAでは、切開した場所によいリンパ管が見つからない場合もあるのです。

今回は8箇所つなげたのです。これは、これまで見聞きしてきた例からすると、結構多いのではないかと。

ありがたいことです!

 

⑦切開した場所を糸で縫合する

 

⑧テープ類を貼る

これらがざっと3時間強で行われました。先生方によると、通常よりも早く手術が進んだそうです。

 

 

次回は、手術後のわたしの状態や行われた治療、診断について書こうと思います。


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「生活の工夫カード」 [各種療法・予防法について]

がん患者さんが感じている生活の不便さを解消・軽減するための工夫をカードにまとめたものを、独立行政法人国立がん研究センターのHPからダウンロードすることができます。

国立がん研究センター創立50周年記念の一環として、中央病院中央病院・看護部が作成されたようです。

 

http://www.ncc.go.jp/jp/50th/event/ideas_exhibition.html

http://www.ncc.go.jp/jp/50th/event/ideas_files/all.pdf

 

 

看護師さんから説明を受けても、人によってはすべてをその場で理解することは難しいことがあるでしょう。年配の方にも見やすいと思いますし、家族にも役立ちそうです。自分に必要なものだけプリントして冷蔵庫に貼っておくといいかもしれません。


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LVA① ~術前検査~ [リンパ浮腫]

あけましておめでとうございます!

今年は去年よりも日本が元気になれるといいですね。

皆様にとって健やかで充実した一年になることをお祈りします。

 

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わたしといえば、12月にLVAを受けたため、今年は帰省することができませんでした。

妹宅で年末年始を過ごし、すっかりやっかいになってしまいました^^ゞ

わたしが作ったのは、人参の量がいささか多すぎるなますと、黒豆とひたし豆のみ…。あとは全部妹夫婦が買ったり作ったりしてくれました。

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妹の旦那さん(普通は義弟と呼ぶのか?)が作ってくれたこのお雑煮が絶品でした^^

彼の地元では、凍み豆腐を入れるとのこと。うん、出汁を吸っておいしい♪

地元の福島の味をベースに、出汁や具を自分で工夫して到達した味なのだとか。

地元でもらってきたという、お餅、とくにシソの葉入りの豆餅もびっくりのおいしさでした。

 

さて、本題に入りますが…。 

 

年の暮も押し迫った12月某日、LVA(リンパ管静脈吻合術)を受けました。

 

前日に入院。その日の午後、初ICG検査を受けました。

ICG検査・・・インドシアニングリーンという色素を注射して、赤外線カメラで移すと色素が発光して映し出されるというものです。

リンパ浮腫の診断以外に、肝がんの手術やや肝機能の検査、センチネルリンパ節生検、胆道の造影などにも使われているようです。

 

濃い緑色の液体が入った注射器を、足の人差し指と中指の間に刺して注入します。

まぁまぁ痛いけれど、シンチに比べたら全然大丈夫ですv(^^)v

 

10分ほど経った頃処置室に呼ばれました。フォトダイナミックアイという赤外線カメラを足に向けると、暗視カメラのような画像がPCの画面に映し出されます。ICGを含んだリンパ液が白く光って映るのです。

 

10分という短い時間でも、シンチでレベル1と診断された右足では、足の付け根まで色素が届いていることが確認できました。

足の付け根の辺りからは、体の外側に向かって、白く光る筋が何本か流れているのが見えました。

健康な人では、リンパ管は鼠径部の方、中心の方に向かって走っているそうです。わたしの場合、行き場をなくしたリンパ液を逃がそうと側副路ができていたのでした。

レベル2と診断された左側の足は・・・脛の内側によわよわしい光の流れがあるだけで膝までもリンパ液は達していませんでした。

 

そうやって画像で確認できると、リンパ液の輸送能力に左右で随分差があることが、改めてわかりました。

 

 

翌日は、手術室に入ってから、画像でを見ながらリンパ管に沿って赤のマーカーで印をつけていきました。

足の内側を、前日よりもはっきりと白い光の筋が走って見えます。


左足の方が浮腫が進んでいるにもかかわらず、私の足は右側の方が太いのです。

どこの病院、治療院でもその事を指摘されます。

こうして検査をすると、左の方が悪いことがはっきりします。

画面には、左腿の内側にdermal backflowと呼ばれるリンパ液が皮膚に向かって逆流する現象(と説明されますが…ピンときません^^;リンパ液が組織間隙に浸み出して溜まっている場所ってことでしょうね)ができているのがはっきり映っていました。

それは、できたての銀河か星雲のように、白いもやの中に強く光るいくつもの星を抱えていて・・・なんていうかきれいでした(笑)

その場所が、いつも水が溜まる場所であり、蜂窩織炎を起こした場所です。




はっきりとわかるdermal backflowはあと2箇所ありました。恥骨の左側辺りと、右の鼠径部の周辺。

先生たちは下腹部に蛇行しながら左右に横断する線を描いていたので、その下にももやもやが映っていたのかもしれません。わたしには、よくわかりませんでした。でも、その辺りも確かにむくみやすい場所です。

症状と、ICGで映し出される場所がぴったり一致していて、感心しました。

 

 

手術を受けるべく自ら動き、手術日が決まってからも、前回の記事に書いたように、まだ先でもいいのではないかと思うことがありました。最近の記事に書いていたように、足のサイズは全くと言っていいほど変わっていなかったからです。I病院の先生たちもよくしてくれたし。

ただ、この秋から冬にかけて、なんとなく脛の辺りの皮膚がふわふわしているようで、太腿の辺りもたぷたぷしているような感じはしていたのです。

でも、サイズは変わらない。気のせいかな。それとも、浮腫が悪化する兆し?って。

 

ICG検査をしてみて、はっきりとこの目でリンパ液の流れを確認して、今回治療を受けてよかった!と思いました。(そう思った時点では、まだメスは入っていなかったのですが^^ゞ)先延ばしにしていたら、いつさらに悪化するかもしれないのですから。

それどころか、もっと早く受ければよかったとさえ思いました。I病院に固執せず、とっととL病院を受診していたら…。

いやいや、過去は振り返りますまい。I病院で受けたシンチが、いつか役に立つかもしれないですものね。

 

次回は、手術のことを書きま~す♪

 

 

 


 

 

 


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逡巡 [日々雑感]

この冬の休暇を利用してLVAの手術を受ける予定です。

入院期間は1週間。

 

少し早目に冬休みをいただくことになります。

 

これが私にとってはストレス!

 

今日できなくても、明日やればいい…という仕事ではないため、代わりの人のために、さまざまな準備をする必要があります。それに、年末に終わらせておきたいことも、少し早目に終わらせなくては…。

 

そんなわけで今日は二日酔いの後、休日出勤して7時間を職場で過ごしてきました。

 

 

こんな思いをしてまで、この時期に手術を受けないといけないの~?!(しかも効果は保障されていないのに!)と思いますが…。

 

先月旅行(そのうち記事にできれば…)したときも、急な山道を登らないといけないことになり、膝上がたぷたぷになり^^;往生したのです。

それに、去年の丹毒!あれも1週間以上仕事を休まないといけないことになり辛かった…。

 

今手術を受けるという選択でいいんだと、自分に言い聞かせています。

 

 

気になっていることがもう1つ。LVAを受けた後、L病院ではどのように効果を診断するのでしょうか。

 

わたしの場合、サイズの変化はあまりないと思われるので。

 

手術前にはICG検査を行わなかったため(手術の直前にはリンパ管の位置を調べるため検査をするはずですが)、術後もわたしの自覚症状のみで判断しかねないと思ったり、きっとICGでリンパ管のつながり具合を調べるはずだと思ったり。ま、入院したときに質問すればわかるわけですが。

 

もし、L病院で術後に検査をしないのであれば、I病院で検査をして診断してくれないかな~、そんなの虫がよすぎるかな~と思っているところです。

 

 

 

 

 

 


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三井記念美術館 [旅・仏像・寺社・城]

日本橋の三井記念美術館で「琵琶湖をめぐる 近江路の神と仏 名宝展」が開催されています。

(2012年11月25日まで)

 

この美術館、わたし好きなんです♡

 

まず、エレベーターがクラシック^^。

 

美術館の内装が重厚。

 

なにより、解説が丁寧&親切。

 

それにい~もんが見れる♪

 

こちらで、平成22年度に開催された「奈良の古寺と仏像」展は秀逸だったな~、また観たいな~と未だに思います。

 

今回の特別展を観て、滋賀方面に行ってみたいという気持ちを一層強くしたのですが…滋賀って琵琶湖をぐるっと回らないといけないし、広そうですよね。こうやって、一度に名宝を観ることができるのは、やっぱりお得なことだな~と思います。

 

 

 


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